症例02

#銀歯 #ジルコニア #むし歯 #二次カリエス #耐久性

症例02|銀歯の下が虫歯になるのはなぜ?|痛みが少ないまま進行した二次虫歯をジルコニアで治療した症例|豊中市の歯医者が解説

難易度

★★☆☆☆(初級)
銀歯の下で気付かないうちに深い虫歯(二次虫歯)が進行していました。
幸い歯の神経を残したまま、フルジルコニアの被せ物で治療したケースです。
フルジルコニア 1本 88,000円(税込)
  • 主訴:左下の銀歯が取れた 冷たいものが少ししみる
  • 年齢:59歳 男性
  • 希望:見た目より耐久性を重視したい

初診時の状態

患者背景
歯医者に行くのは20年ぶりという患者さまでした。現在は丁寧にブラッシングされていたため、お口の中は比較的きれいな状態でしたが、取れた銀歯の下に大きなむし歯がありました。

診断と治療方針
外れた銀歯の下に、劣化したセメントとむし歯を認めました。
少ししみる症状はあったものの、幸いにも神経は保存できる可能性が高いと判断し、治療を進めました。

Step.1
深いむし歯
コンポジットレジンによる間接覆髄処置
汚れたセメントを取ると、黒く変色したむし歯を認めます。(1,2,枚目)むし歯検知液を使用し、感染した部分だけを丁寧に除去しました。(3枚目)被せ物がきれいに適合するよう歯の形を整え、スキャナーで型取りをします。(4枚目)
Step.1
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Step.2
フルジルコニア装着後の写真
モノシリックジルコニア(multilayer) シェード(A2)
周囲の歯とも調和した自然な仕上がりになりました。耐久性が高く長期予後を期待できます。
Step.1
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銀歯の下の虫歯について歯医者が解説

  • 銀歯の下が虫歯になるのはなぜ?

    銀歯で治療した歯でも、再び虫歯になることがあります。これを「二次虫歯(二次カリエス)」と呼びます。 銀歯は、歯と銀歯の間にセメントを介して装着されています。 長期間使用するなかで、銀歯と歯の境目やセメントの状態が変化し、その部分から細菌が入り込むことで、銀歯の下に虫歯ができることがあります。 今回の患者さまも、外れた銀歯の下に古いセメントが残っており、それを除去すると深い虫歯が見つかりました。 銀歯の表面だけを見ても、中で虫歯が進行しているかどうか分かりにくいケースがあります。
  • 銀歯の下の虫歯は痛くないこともある?

    はい。銀歯の下で虫歯が進行していても、必ず痛みが出るとは限りません。 今回の患者さまも「冷たいものが少ししみる」という症状はありましたが、強い痛みはありませんでした。 しかし、実際に銀歯を外して古いセメントを除去すると、虫歯はかなり深いところまで進行していました。 虫歯がさらに進行して歯の神経まで達すると、根管治療と呼ばれる神経の治療が必要になることがあります。 今回は幸い神経を残すことができましたが、発見する時期によっては神経の治療が必要になる場合もあります。 「痛くないから虫歯ではない」とは限りません。
  • 銀歯が取れたらどうする?

    銀歯が取れた場合は、痛みがなくても早めに歯科医院を受診することをおすすめします。 単純に銀歯を装着していたセメントが外れただけの場合もありますが、今回の症例のように、銀歯の下で虫歯が進行していることもあります。 取れた銀歯をそのまま戻せるか、新しく作り直す必要があるかは、残っている歯や虫歯の状態によって異なります。 また、銀歯が取れた状態を長期間そのままにすると、歯が欠けたり、虫歯がさらに進行したりする可能性もあります。 取れた銀歯は捨てずに保管し、可能であれば受診時にお持ちください。 「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、まずは歯の状態を確認することが大切です。 
  • 今回、銀歯ではなくジルコニアを選んだ理由

    今回の患者さまは、見た目だけでなく、奥歯で長く使用することを考え、耐久性を重視されていました。 そのため、強度が高く、奥歯にも使用しやすいフルジルコニアをご提案しました。 ジルコニアは白い歯科材料ですが、今回の治療の目的は単に「銀歯を白くすること」ではありません。 治療する歯の場所や残っている歯の状態、噛み合わせ、患者さまが治療で何を重視されるかを考えた結果、今回はフルジルコニアを選択しました。 もちろん、銀歯を外した場合に必ずジルコニアやセラミックで治療する必要があるわけではありません。 歯の状態によっては、保険診療で治療できる場合もあります。 歯医者さん豊中くぼ歯科では、すべての患者さまに同じ材料をおすすめするのではなく、それぞれの材料のメリット・デメリットをご説明したうえで、患者さまのご希望に合わせた治療方法をご提案しています。
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院長のあとがき

フルジルコニアを使用した奥歯の治療症例です。

今回は比較的よく見られる症例をご紹介しました。

フルジルコニアは強度が高く、奥歯との相性が非常に良い材料です。長期的な安定性に優れ、歯ぎしりや食いしばりがある方にも適しています。

一方で銀歯は、経年的に歯との境目に隙間が生じやすく、その部分からむし歯が再発することがあります。また、銀歯の下でむし歯が進行しても気付きにくいという特徴があります。

今回は幸い神経を残すことができましたが、もし発見が遅れていれば神経の治療が必要になっていた可能性もありました。
銀歯とジルコニアで迷われている方には、お口の状態によって適した治療法は異なりますが、耐久性や再治療リスクを重視される方にはジルコニアをおすすめすることが多いです。

ケース概要

料金
88,000円(税込)

治療回数・期間
  • 2回
  • 治療期間 1週間
使用材料・技工所
  • フルジルコニア(multilayer)
  • ワールドラボ大阪
所要時間
1回目 むし歯除去 型取り 60分
2回目 セット 30分

計2回 90分
患者年齢・性別
59歳・男性
麻酔
1回目のみ
リスク
  • 破折
  • 知覚過敏
  • 二次カリエス
  • メンテナンスの必要性
注釈
当ページに掲載している症例写真は、患者様ご本人の同意をいただいた上で掲載しております。 治療結果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。 治療方法や期間、費用、リスクについては、患者様お一人おひとりのお口の状態によって異なります。 当院では、事前に十分な説明を行い、ご納得いただいた上で治療を進めております。
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まずは今のお悩みをお気軽にご相談ください。

参考文献

✓ 日本歯科保存学会 編.う蝕治療ガイドライン 第2版.2015.
✓ Askar H, et al. Secondary caries: what is it, and how it can be controlled, detected, and managed? Clin Oral Investig. 2020;24:1869–1876.
✓ Brouwer F, et al. Detecting Secondary Caries Lesions: A Systematic Review and Meta-analysis. J Dent Res. 2016;95(2):143–151.
✓ Solá-Ruiz MF, et al. Prospective study of monolithic zirconia crowns: clinical behavior and survival rate at a 5-year follow-up. J Prosthodont Res. 2021;65(3):284–290.

執筆・監修

久保 亮太郎(くぼ りょうたろう) 歯科医師 歯医者さん豊中くぼ歯科 院長
岡山大学歯学部 卒業
大阪府豊中市・岡町にて、一般歯科からセラミック治療、インプラント治療、矯正治療まで幅広い歯科診療を行っています。

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